「自己破産」に関するお役立ち情報
自己破産をする方が引っ越しをする場合の注意点
1 自己破産申立前の引っ越しについて
自己破産手続きを行うにあたっては、様々な資料の収集、借金が増えてきた経緯についての確認、その他今後の生活の見通しといった数多くの項目について、申立代理人弁護士と綿密な打ち合わせを行う必要があります。
その際、弁護士との連絡方法については、お電話やメールで行うことが多いといえます。
しかし、まとまった数の資料を送付する場合等には、お電話やメールよりも郵送の方が適していることがあります。
そのようなときに、自己破産をされる方が申立代理人に黙って引っ越しをしてしまった場合、郵送物が届かないといった事態が生じることがあります。
必要な資料を送付することができないとなると、手続きの遂行にも支障が出てしまいますので、ご注意いただければと思います。
当然ながら、引越し費用の捻出方法や、いくら程度支払いを行ったのかについての説明も必要です。
2 自己破産申立て後の引っ越しについて
⑴ 自己破産申立て後の引っ越しには裁判所の許可が必要
裁判所に自己破産の申立てをした後、手続き中に自己破産する方が引っ越しをする場合には、裁判所の許可が必要とされています。
法律上は裁判所の許可が必要とされていますが、実際には、破産管財人がつく管財事件においては破産管財人の許可を得る運用とされていることが多いです。
⑵ 自己破産と郵便物の転送
破産管財人がつく手続きになる場合には、自己破産をする方の住居へ届く郵便物は破産管財人の事務所へ転送されます。
なぜ自己破産をする方の郵便物が転送されてしまうのかというと、債権者や財産の把握のためです。
自己破産手続きにおいては、全ての債権者や財産を裁判所に申告しなければならないとされています。
そして、郵便物の中から新たな債権者や財産が見つかったりすることが往々にしてあります。
そうすると、自己破産手続中は、自己破産をする方の郵便物が破産管財人に転送されるようにしておいた方が、債権者や財産の漏れを防ぐことができる可能性が上がると言えます。
このような理由から、自己破産をする方の郵便物は転送されることになっています。
⑶ 転送を確実に行うためにも引っ越しの許可が必要
しかし、自己破産をする方が転居先を裁判所に告げないままだとすると、転居先に届く郵便物が破産管財人に転送されなくなってしまい、債権者や財産が漏れてしまう可能性があります。
このような事態を防ぎ、確実に破産管財人への郵便物の転送手続きが履行されるようにするため、自己破産をする方の引っ越しには裁判所の許可が必要であるとされています。
許可を得ずに引っ越しをすることは、免責不許可事由にもなっているため、注意が必要です。
3 名古屋で自己破産をお考えの方へ
自己破産手続きは複雑です。
1つの手続的なミスで免責が認められなくなる可能性もあります。
名古屋で自己破産をお考えの方は、当法人の弁護士にご相談ください。