「任意整理」に関するQ&A
学生も任意整理はできますか?
1 学生も,任意整理ができる可能性があります
たとえば,一人暮らしをする際の生活費や,自動車・バイクのローンなどで,借金を背負っている学生は珍しくありません。
任意整理は,社会人,専業主婦,学生など,誰であっても手続きが可能です。
どんな場合に,学生の任意整理が可能かを,以下で詳しくご説明します。
2 任意整理を行うための必要条件
任意整理は,毎月の返済額を下げることはできますが,借金の返済義務そのものはなくなりません。
この点は,原則として借金の返済義務がなくなる自己破産手続と,大きく異なる特徴です。
つまり,毎月,一定額の借金返済が可能であるということが,任意整理を行うための必要条件です。
3 毎月,どの程度の借金返済が必要なのか
任意整理は,今ある借金を,3年から5年かけて分割払いすることを目指す手続きです。
たとえば,270万円の借金を3年で分割払いする場合,毎月7万5000円の返済が必要になり,5年で分割払いする場合は,毎月約4万5000円の返済が必要です。
4 親に借金や任意整理のことを内緒にしたい場合
借金のことは,親に相談しにくいため,親に内緒にしているケースも多いかと思います。
任意整理を行えば,債権者からの通知が家に届くため,親と同居している場合は,親に借金の有無や,任意整理をしていることを知られる可能性が高くなります。
仮に,弁護士に任意整理を依頼すれば,債権者からの通知は,弁護士宛に届くため,家に通知が届くことはなくなります。
親に借金の有無や,任意整理をしていることを内緒にしたい場合は,弁護士への依頼を検討するべきといえます。
5 任意整理をした場合の注意点
⑴ 支払方法の変更が必要な場合がある
クレジットカード会社を対象に任意整理すれば,そのクレジットカードは使えなくなります。
もし,そのクレジットカードから,家賃,携帯電話料金,水道光熱費などを引き落としている場合は,支払方法を変更する手続きが必要です。
⑵ しばらくローンを組むことができなくなる
スマホ,自動車・バイクなどは,学生であっても,ローンを組んで買い物することがありますが,任意整理を行うと,一定期間はローンを組むことができなくなります。
借金がすべて1~2年の取引しかない場合には任意整理をする意味はありませんか? 時効の完成猶予とはなんですか?