「個人再生」に関するお役立ち情報
個人再生委員とは
通常の再生手続では,裁判所は債務者に対する監督や業務・財産の管理状況を調査するために監督委員や調査委員を選任できるとされています。
これに対し,個人再生手続は,一般的には通常の再生手続と比べると規模が小さいこと,監督委員や調査委員を選任することで生じる高額の費用・報酬を債務者に負担させることは適切ではないこと等から,監督委員や調査委員の制度は設けられていません。
もっとも,債務者の財産や収入の状況について調査の必要があると考えられるような場合にまで,何らの監督・調査を不要とすること適切ではありませんから,監督委員や調査委員の制度に代わって個人再生委員の制度が設けられており,それぞれの裁判所が個人再生委員を選任するか否かの基準を設けており,その基準に従って個人再生委員が選任されます。
個人再生委員が選任された場合には,監督委員や調査委員ほど高額ではないにせよ,報酬の負担も必要となりますので注意が必要です。
個人再生委員の役割について
個人再生委員には,法律上,以下の職務が定められています。
- ①債務者の財産および収入の状況の調査
- ②関係者間の争のある再生債権の評価に関する裁判所の補助
- ③債務者が適正な再生計画案を作成するために必要な勧告を行う
具体的には,概ね以下の内容があります。
まず,個人再生委員は債務者との面談を行います。
その上で,個人再生手続を開始して良いかどうかの意見書を裁判所に提出します。
裁判所により個人再生手続の開始決定がされると,個人再生委員は必要に応じて債務者の財産調査を行い,場合によっては個人再生手続の廃止を申し立てることもあります。
また,債務者が提出した再生計画が履行できるものであるのかどうかの判断等をし,認可決定についての意見書を裁判所に提出します。
面談では,申立書に記載した内容,借入の経緯や今後の返済等について聞かれることになりますが,弁護士に申立手続を依頼している場合には,その弁護士も同席することができますので,安心してください。
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