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法人の債務整理

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年12月26日

1 法人の破産と個人の破産の違いについて

法人の場合も破産や民事再生といった債務整理を検討するべき場合があります。

以下では、主に法人の破産について、個人の破産との違いという観点から説明していきます。

⑴ 法人格の消滅

個人が破産する場合、免責許可決定が確定すれば、税金の支払い義務などの非免責債権を除いて負債についての支払義務はなくなります。

これに対し、法人が破産する場合、法人の破産手続が終了すれば法人格自体が消滅します。

したがって、法人については全ての債務について帰属主体がなくなってしまうことになり、結果として負債すべての支払い義務が消滅することになります。

もっとも、法人の負債について、例えば代表者が保証しているケースについては別問題です。

この場合、代表者に保証債務履行請求がなされることになります。

もっとも、名古屋地裁の運用では、法人が破産する場合は代表者についても債務整理をするべきとされており、代表者が破産して免責されれば、結局保証債務についても支払義務はなくなります。

⑵ 法的な問題点が多く、手続が複雑である

法人については、個人の場合と比べて資産や負債を多く有しており、一般的には破産に至るまでの取引が複雑です。

また、従業員の給与の未払いの問題が発生していることや、事業に使用していた機械等の権利関係等が複雑であったり、財産の適切な保管の措置をとる必要があったりすることがあります。

このように、法的な問題点やなすべき措置が個人の債務整理に比べて増えるため、法人の債務整理を弁護士に依頼するときは、その分野に精通している弁護士に依頼することが重要です。

⑶ 個人の破産に比してスピードが重要視されることが多い

法人の債務整理の場合、早期に申し立てができなければ一部の債権者が財産を散逸させるなどして問題が発生してしまう可能性があります。

いわゆる受任通知をどのタイミングで発送するべきかが重要な問題となることもあります。

⑷ 他業種との連携が必要となるケースが多い

たとえば、破産する会社の従業員に対し離職票や雇用保険関係の書類を交付することが申立代理人あるいは破産管財人の業務になる場合があります。

また、従業員の給料が未払いである場合、独立行政法人である労働者健康安全機構に対し、未払賃金の立替払いのための手続を行う必要が出てきます。

さらに、不動産を換価する場合には、税務や登記についての正確な処理が必要です。

このように、法人の債務整理には多岐にわたる業務があり、弁護士が単独でできることには限界があります。

2 法人の債務整理における当法人の強み

当法人は、社会保険労務士法人心、税理士法人心と連携できる体制を整えており、法人の債務整理に必要な業務についてのサービスをワンストップで提供することができます。

名古屋で法人の債務整理を依頼する場合には、当法人までお気軽にご相談ください。

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